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デジタル庁創設に向けた提言を提出しました。【PMI ThinkTank】

論考 ・ 2021年8月27日

2021年9月1日に予定されているデジタル庁創設に向けて、
「ミレニアル世代が描くデジタルビジョンと提言」を平井デジタル改革担当大臣に提出致しました。

1.ミレニアル世代の期待するデジタル社会のビジョン

便利・効率性のさらなる追求ではなく、デジタル技術を活かして、一人ひとりの価値観・生き方に寄り添いきめ細やかな手段が提供され、多様性が支えられる社会

新たなアイデアや技術の価値が正当に評価され、旧来の制度的・慣習的な制約を乗り越えて次々に社会実装される、イノベーションの活力に溢れる社会

人口が減少していくなかで、デジタル技術が人と人をつなぎ、新たな助け合いを創出する社会

2. デジタル庁への提言

(1)若者がデジタル行政を安心して使うことができる信頼の構築若者と政治・行政の距離が遠く、行政が進めるデジタルへの一定の不信感を有する者も多い中、デジタル社会を進めていく前提として、特に若者にとって安心して活用することのできるデジタル行政の土壌を整備することが必要と考える。

◯政策プロセス・意思決定の透明性、説明責任、コミュニケーション等へのデジタルの積極的活用(リアルタイムで進捗がわかる、アーカイブ検索ができる、データに基づいた意思決定ができる、など)
◯個人情報の取扱に関する意思決定における国民のオーナーシップ・選択肢確保のための制度基盤の整備
◯デジタルリテラシー向上を目的としたデジタル教育の推進

(2)デジタル化を進めていく人材の定義、育成、若手登用従来、国家公務員に求められてきた能力として、目の前に課題があることを前提に、それをいかに解決していくか、すなわち、積み上げ型・方程式型の思考法(課題解決能力、実務実行力、リスクマネジメント等)があげられる。
一方、前例のない時代にイノベーション技術を社会実装していく上では、どのような状態をゴールとするか考えることからスタートする、ゴール逆算型・ビジョン逆算型の思考法が求められる。
このため、デジタル化を進めていくうえでは、デジタル技術に関する知識やスキルはさることながら、現代社会の現実や本質を見抜き、問いを立て、未来ビジョンを描くことのできる思考力、教養力をもった人材が必要であり、そのような人材を育成し活躍させていくために、以下のような土壌整備を提案したい。

◯ビジョン構想力、ディスカッション力、思考力・発想力を高めるためのリベラルアーツ的な研修
◯若手官僚が民間人材と交流・協働できる経験機会の創出
◯課外活動等に参加することのできる「余白」の創出(業務時間の柔軟性確保、職場の支援の確保、兼業規定の緩和など)
◯長期的な視野でのリボルビングドアの推進(官民人事交流、民間からの中途採用、出戻り人材の再登用)

(3)個人の最適解をきめ細やかに把握し、政策立案やサービス提供に活かしていくデジタル技術によって、従来の行政手法では難しかった多様な個人の暮らしの実情を把握、その生き方に寄り添った最適解としての行政サービスの提供が可能になる。また政治・行政との距離が遠い若者世代と双方向にアクセスし、コミュニケーションを図っていくことができる。

個人の最適解に寄り添った「単位」の見直し
PMIが4月に公表した「ミレニアル政策ペーパー」では、婚姻制度を基準とする行政サービスを維持している限り、近年広がる従来とは異なる家族のあり方や、家族の中に隠れてしまう課題を救いきれていない現実が浮き彫りとなった。
デジタルによって、潜在的にひとりひとりが抱えていた個別ニーズを拾い上げ、当該個人にとって最適だと考えられる行政サービスを提供するためにも、例えば「個人を基準とする」制度・サービス提供への転換が必要ではないか。
Ex. 個人を枠組みの中に囲い込んでいく「ディレクトリ型」の個人の管理から個人に付随する関係性も含めた属性を付け足ししてステータスを可視化する「ハッシュタグ型」の個人の管理へ。

立法・政策議論に対してデータに基づいた議論を進めていく文化を
(特に夫婦別姓や同性婚など、人によって考え方が大きく異なるテーマについては)実態やその合理性よりも、伝統や文化的規範といったイデオロギー的な主張に基づく感情的な議論が中心となりがちだと見受けられる。デジタル利活用によって拡大が期待されるEBPMをはじめ、デジタル技術を積極的に活用し、データや数値の分析によって合理的な議論ができる土壌整備を牽引していくリーダーシップをデジタル庁に期待したい。

直接的で双方向なコミュニケーション・対話の場をデジタルで
政治・政策と心理的にも距離が遠い若者世代が、政策に対してアイデアや意見をあげられる、またはそのような多様な声を拾えるような制度・ツールの運用について、デジタル庁のイニシアティブを期待したい。
(Cf. 台湾政府のGov0 / Cf. PMIの「コロナを危機に終わらせない」アイデア募集プロジェクト

以上

本件に関する取材依頼はこちら

https://pmi.or.jp/